【判例解説】就業規則の不利益変更について
1 はじめに 就業規則を労働者にとって不利益に変更した場合、労働者を拘束するのでしょうか。 2 問題の所在 就業規則の変更にあたっては、労働者の同意は必要とされていません。 それでは、労働者にとって不利益な内容に就業規則…
【判例解説】職場における政治活動と懲戒処分
1 はじめに 労働者には、政治活動の自由が保障されています。 その一方で、使用者の立場からは、労働者に企業内で無制限に政治活動の自由を認めると、企業活動が阻害される可能性があり、就業規則によって、制限できないかという問題…
【判例解説】就業規則に基づく所持品検査
1 はじめに 使用者が、就業規則を根拠に、労働者に対し、所持品検査をすることができるのでしょうか。 所持品検査は、労働者の人権侵害のおそれを伴うものであり、無制限にできるものではありません。 それでは、所持品…
中小企業における1か月60時間を超える労働に対する割増賃金率が50パーセントになります
1 はじめに まず、労働基準法における労働時間の原則を確認します(原則ですので、例外がありますが、ここでは、原則のみを記載します)。 労働基準法は、原則として、労働時間を1日8時間、1週間40時間以内と定めていま…
株主総会に出席してきました
先日、株主総会に出席してきました。 上場企業の株主総会に出席するのは、新型コロナウィルス感染症の流行後、はじめてでした。 事前に、株主総会の招集通知を読み、会社法の株主総会に関する条文などを勉強して、総会に出席しました。…
取締役会の決議が求められる重要な財産の処分の該当性
はじめに 会社法362条4項は、取締役会は、次に掲げる事項その他重要な業務執行の決定を取締役に委任することができない旨規定しており、会社法362条4項1号には、「重要な財産の処分及び譲り受け」とあります。 また、平成17…
取締役の第三者に対する責任につてい弁護士が解説
はじめに 会社法429条1項は、役員等がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う旨規定しています。 問題の所在 会社法429条1項に…
取締役会の決議を経ないでした取引行為の効力
はじめに 代表取締役は、株式会社の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をなす権限が認められています。 また、代表取締役の代表権に加えた制限は、善意の第三者に対抗することができません。 なお、会社法では、代表取締役をお…
株式会社の取締役の退職慰労金と株主総会の決議
はじめに 株式会社の取締役の報酬について、会社法は、定款又は株主総会の決議によって定めることが要求されています(会社法第361条1項)。ただし、指名委員会等設置会社においては、会社法404条3項、409条に規定があります…
代表取締役解職が議題になっている取締役会の決議について、当該代表取締役が特別の利害関係を有する者にあたるか?
はじめに 取締役会の決議について特別の利害関係を有する取締役は、議決に加わることができません。 その趣旨は、取締役は、忠実義務を負っているところ、取締役が忠実義務に違反して議決権を行使する危険性が高い場合に、その義務違反…