【判例解説】非違行為から長期間経過した後の懲戒処分の効力
1 はじめに 常時十人以上の労働者を使用する使用者は、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければなりません。 また、労働基準法第89条9号は、就業規則の記載事項として、「表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種…
懲戒処分後に判明した非違行為を懲戒処分の理由に追加することができますか
1 はじめに 労働基準法89条9号は、「表彰及び制裁の定めをする場合においては、その種類及び程度に関する事項」旨規定しており、使用者による懲戒については、就業規則の相対的必要記載事項とされています。 また、労働契約法…
【判例解説】労働者にとって不利益に変更された就業規則への労働者の同意の効力
1 はじめに 使用者が就業規則を変更することにより、労働条件を労働者の不利益変更した場合には、最高裁判所の裁判例では、一定の要件のもと、労働契約の内容である労働条件は、変更後の就業規則の定めるところにより規律されることが…
【判例解説】就業規則が周知されていない場合の就業規則の効力
1 はじめに 労働基準法は、常時十人以上の労働者を使用する使用者は、法律が定める事項について、就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない旨規定しています。 また、労働基準法は、就業規則の作成又は変更について、当該…
株主総会に行ってきました
先日、株主総会に行ってきました。 企業法務の勉強として、スケジュールがあえば、時折、株主総会招集通知をあらかじめよく読んで、実際に株主総会に参加しています。 最近は、ウエブで実際の会場で行われている株主総会を中継する会社…
【判例解説】残業代を基本給に組み入れる合意がある場合の割増賃金の算定
1 はじめに 労働基準法第37条1項は、「使用者が、第33条又は前条第1項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の…
【判例解説】労働基準法上の労働時間の概念ー仮眠時間ー
1 はじめに 労働基準法上の労働時間について、最高裁判所の裁判例では、労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいうとされています。 それでは、仮眠時間は、労働基準法上の労働時間に該当するのでしょうか。 2 …
【判例解説】労働基準法上の労働時間の概念ー始業時間前の準備行為等ー
1 はじめに 労働基準法第32条1項は、使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働をさせてはならない旨規定しています。 また、労働基準法第32条2項は、使用者は、一週間の各日については、労働者…
【判例解説】就業規則の不利益変更について
1 はじめに 就業規則を労働者にとって不利益に変更した場合、労働者を拘束するのでしょうか。 2 問題の所在 就業規則の変更にあたっては、労働者の同意は必要とされていません。 それでは、労働者にとって不利益な内容に就業規則…
【判例解説】職場における政治活動と懲戒処分
1 はじめに 労働者には、政治活動の自由が保障されています。 その一方で、使用者の立場からは、労働者に企業内で無制限に政治活動の自由を認めると、企業活動が阻害される可能性があり、就業規則によって、制限できないかという問題…