会社法

1 はじめに

  小規模な会社では、会社法が予定する取締役会や株主総会が実質的に開催されず、個人事業と変わらない形態で運営されている場合も少なくないと思います。

  しかし、トラブルが生じたときには、会社法の規定する規定にしたがって運営されていないと、取締役として、責任が問題になる場合もあります。

 

2 取締役会の運営

  取締役会設置会社において、小規模な会社では、実質的に取締役会が開催されず、後日、議事録が作成されるだけというケースも少なくありません。

  本来、取締役会は、取締役が、相互に、会社の運営について議論をし、会社の重要事項について決める場です。

  実質的に取締役会で議論をすることなく、代表取締役が法令に違反する行為を行い、第三者に損害を与えた場合、法令違反行為を是正できなかった取締役の責任が問題となる場合もあります。

  取締役会は、法が予定するように、実際に開催し、十分な議論を尽くして、その結果を議事録に残しておくことが必要だと思います。

 

3 取締役の責任

(1)取締役の会社に対する責任

   会社法は、取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人は、その任務を怠ったときは、株式会社に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負う旨規定しています。

(2)取締役の第三者に対する責任

   会社法は、取締役、会計参与、監査役、執行役又は会計監査人(以下「役員等」といいます)がその職務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該役員等は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う旨規定しています。

 

4 株主総会の運営

  小規模な会社では、実質的に株主総会が開催されず、後日、議事録が開催されるだけというケースも少なくないと思います。

  しかし、株主の中に、会社の取締役の経営方針に反対する株主がいる場合、株主総会決議取り消しの訴えや株主総会決議無効の訴えなどが提起されるリスクもあります。

 

5 まとめ

  会社法は、多岐にわたる規定をおいています。

  この原稿では、その多くについてふれることができません。

  会社法の規定にしたがって、適法に会社を運営するためにも、弁護士までご相談ください。

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